毒親育ちが保育士を続けるために②性格や発達

保育士

毒親育ちは、その受けてきた精神的、身体的ダメージの大きさにより、苦労の大きさも悩みの大きさも人それぞれです。

でも、保育士という職業に就きたいと思っている方に限って言えば、悩みは大きく分類できるのではないかと思います。

そこで、毒親育ちでも保育士になりたい!と思う方に向けて、続けていく上で苦労するかも…と思う問題とその解決策をピックアップしていこうと思います。

今回は性格や発達についてです。

遺伝と環境

私の母親は、多分今だと診断名がつくぐらいの発達障害だと思います。

  • (私の幼少期)保育園にお迎えに行くのを忘れる
  • 何かに熱中すると一睡もせずに朝を迎える
  • 夜起きていることが多い
  • 大事な用事がある日でも頻繁に遅刻する
  • 兄の高校受験の日に寝坊する
  • 一つのことに集中すると他の事を忘れる
  • 思い込みが激しい
  • 空気を読めない
  • 人との距離感が上手く取れない
  • 仕事が長続きしない
  • 感情のコントロールが難しい
  • 注意散漫で、骨折など重症な怪我が多い
  • 忘れ物が多い
  • 細かい配慮が足りない割にどうでもいいことを気にする

…などほんの一部ですが、挙げ出したらキリがありません。これらはASDやADHDの特徴によく似ています。医療を勧めましたが、もちろん断られました。

こんなふうに、毒親育ちの人は、親がそもそも発達障害やグレーゾーンなのが原因で影響を受けていた可能性があります。

発達障害という言葉自体、話題になり出したのはここ最近なので、親世代では社会生活が上手く送れなくても努力不足や気の持ちようなどで片付けられていたとしても不思議ではありません。

毒親育ちの方は、発達障害は遺伝する可能性もありますし、発達障害の人に育てられると周囲の家庭とは違う価値観を持ちがちです。「なんだか上手く行かない」「人より苦労している気がする」と社会生活の上で悩むことが多かったのではないでしょうか?

そんな方が保育士になった時に、つまづきそうな点について説明します。

①「普通」がよくわからない

人によって「普通」や「当たり前」は違いますが、保育士になって最初に苦労したのは「暗黙の了解」や「適当に」「大体で」など曖昧な指示がとても多かったことです。

子どもにとって園生活は日常生活の延長なので、お片付けや着替え、排泄や掃除など、子どもたちと取り組みます。

子どもたちが帰った後も、洗濯や後始末、翌日の準備などしておくことがたくさんあります。

特に昔の保育園は就職した翌日から「主担任お願いね」ということもよくありましたし、補助でクラスにいても、細かい指示はなく、周囲を見ながら判断したり動いたりしないといけないことが多かったので、特殊な家庭で育った私にとってはとても難しかったです。

最初の頃は「空気が読めない」「子どもとの関わり方が下手」「保育を分かっていない」「同僚の先生たちからクレームが出ている」など散々怒られました。ひどい時には3人の上司から1時間以上人格否定と共にお説教ということもありました。今まで多少苦手だと思ってはいましたが、ここまでとは思っておらず、とても辛かったです。今と違い、パワハラなんて言葉はなかったので直接言われ放題でした。

現在はそういった新人教育は少なくなっていると思いますが、就職の際、一年目から主担任をさせるような園は選ばないことをお勧めします。

肩書きがとても立派である場合や高めのお給料を頂く場合、期待されていることもあるかもしれませんが、どんな人かまだ分かっていない状態で新人を主担任にするには、管理する園長などにも責任が伴いますし、直接教育するにもとても手間です。

そのリスクがある上で主担任を任せるのですから、園児が多過ぎるか、離職率が高いかで、人手が足りていない可能性があるので、しっかり園を見てから決めてください。

最初からお給料優先より、無理なく働ける方が長い目で見たときに、たくさん稼げるのではないでしょうか?

ですので、就職して数年は周囲を見る余裕のあるポジションに身を置くといいでしょう。

周囲の先生たちと親睦を深めながら、指示されなくても職場の「普通」が分かるようになれば、その後の保育がとてもスムーズにできますし、自己成長も早いです。

②社会人の当たり前ができない

毒母や毒父は依存しているものがあったり、感情のコントロールができなかったりし、情緒が不安定な人が多いです。

なので、夜寝るのが極端に遅かったり、食事の時間がバラバラだったりと生活リズムが不規則で不健康な生活をしている人が目立ちます。

そんな毒親と生活を共にしている期間が長ければ長いほど、生活習慣が乱れている可能性があります。

kino
kino

私も子どもがいるから何とか生活習慣を保てていますが、たまに寝れなくなったり、途中で起きたりと、上手く寝れないことが今でもあります。

夜は決まった時間に眠れていますか?

朝は起きれていますか?

食事は3食摂れていますか?

忘れ物がないよう持ち物のチェックは前日にしていますか?

欠勤や遅刻、忘れ物をしないことなど、簡単にできる人もいますが、これが難しいと、時差出勤や行事がある園も多いので、体力勝負、精神力勝負の保育仕事はかなり消耗します。

保育士のてぃ先生も仰っていますが、「子どもを幸せにする前に、まずは自分から」

これを意識してみてください。

③質問をするタイミングがわからない

保育士は忙しい仕事です。

常に動いていることが多く、止まっている時は職員室で書類を書いたり考え事をしている時ぐらいです。

できる保育士ほど、常に何かしているので聞きたいことがあっても話しかけるタイミングがとても難しいです。

でも、聞かないと分からないことは放っておくと取り返しのつかないことになったり労力が無駄になったりします。

先輩保育士
先輩保育士

海の中を表現したくて、水泡に使うから水色の丸をいろんな大きさで切ってって言ったのに、全部子どもの作品より大きいからやり直し…。

先輩保育士
先輩保育士

子どもたちが絵本を借りに行っている間に、給食を食べていた部屋をささっと掃除してとは言ったけど、汚すぎて次の活動ができない…。

など、詳細を聞かずに(聞けずに)失敗してしまうことが、毒親育ちに限らず新人保育士によくありがちです。

聞きづらいかもしれませんが、何事も習慣化です。

できれば指示をされた時にすぐ、無理なら疑問に思ったら①自分で考え②自分で判断すべきか迷ったら聞いて大丈夫です。

「お忙しいところ申し訳ありませんが、」と前置きを付け、手短に聞くのが大事です。

聞きやすい環境を作るためにも日頃から、他の保育士とコミュニケーショを取り、「質問があった時は、聞いてもいいですか?」とお願いしておくのもいいですね。

不得意<得意

残念ながら、私は苦手なことやできないことがたくさんあります。

保育士は書類を書いたり、作り物をしたり、ピアノを弾いたり、劇の台本を書いて教えたり、踊りや楽器の演奏を教えたり、運動をしたり、自然物を使って遊んだり、掃除や洗濯をしたり、子どもと調理をしたり…何より子どもの気持ちに寄り添いながら、自立を促す、仕事の幅が多過ぎる仕事です。

保育士を辞めてから、結構無茶な働き方をしていたなぁと思い返しました。

苦手なことをお願いしたり、できないことはできないと相談したりと、もっと上手にできていたらと思うこともありましたが、昔は「全部1人でできて当たり前」みたいな風潮があったので、がむしゃらに頑張ることに慣れてしまっていました。

そのおかげで生活や子育てにおけるある程度のことは1人でできるようになったので、共働き平日ワンオペの現在でも実家や義実家に頼ることなく生活できています。

もし、保育士を始めてみて上手くいかなくても残るものはあります。

できないことに目を向けるのではなく、できることに目を向けて、得意を活かせるといいですね!

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