毒親育ちの方の中で、保育士になりたいと思う人はかなり少数派だと思います。
ただ、私は保育士になって続けてきたことによって、人生においてとてもメリットがありました。
保育士をしていなかったら、今の自分はなかったのではないかと思っています。
前提として、まずは自分に精神疾患がないこと、安定して生活ができており、仕事ができる状態であること、バイトや他の仕事を経験したことがある人の方が、保育士を続けやすいと思います。
毒親育ちに足りないものを補ってくれる仕事です。
その理由も合わせて、内容を具体的に説明しようと思います。
この記事を読んで、保育士の仕事に興味を持ってくれたら嬉しいです。
人生の基礎が学べる
子どもへの対応
保育士は、同僚や上司と相談しながらではありますが、どうやってクラス運営をしていくか、どんな保育をしていくかなど、自分で考えて実行していくクリエイティブな仕事です。
なので、他の保育士との保育の違いがとてもよく見えます。
子どもとの関わり方や遊び方、クラスのまとめ方や保育室の環境の整え方まで、保育士一人一人の個性が出ます。
特に、子ども達の対応について良い保育士とそうでない保育士とでは、とても違いが出ます。
・園児が泣いている時
・怒っている時
・無理なことを言っている時
・落ち込んでいる時
・クラス全体が落ち着かない時
・たくさんの子どもが話を聞いてくれない時
・子ども達が集まってくれない時
上記の際、どんな声の大きさやトーンで、どんな言葉をかけて、どんな表情で何をするのか。
そして、それが子どもたちにどんな影響を与えるかが側で見れます。
保育園や幼稚園、こども園という場所は、子どもにとって家庭の延長なので、他の保育士の作る家庭の延長が垣間見えます。
そしてそれが子どもにとって良いのか、合っているのか、正しいのかは子どもの様子や表情を見れば明らかです。
また、研修会や講演会などでも学ぶ機会がたくさんあります。
いい保育士の良いところを真似ることができるのは、人生においてもとても勉強になりました。
特に、自分の子どもを育てるようになってからは、子どもの成長や対応の仕方がある程度理解できていたことで、両親を頼れない私にとっては安心感がありました。
生活の知恵
そして、保育士は女性が多く、主婦もたくさんいます。
家事も一人前に教わってこなかった私は、保育士になってからアルミホイルやペットボトルのキャップで野菜の皮剥きができることを知り、濡れた靴は階段に立てかけると早く乾くことを知り、野菜はお湯でなく水で洗うことを知りました。
よもぎ団子作りやプールびらき、夏祭りに焼き芋会、クリスマスや餅つき、豆まきや誕生会など季節に合った行事は、誕生日も忘れられていた私にとって、幸せの作り方を見つけたようでした。
仕事で学ぶ知識や教わることが、何の役に立つのだろうと思った時もありましたが、一人暮らしをし、結婚し、子どもができてからと、親から離れるにつれ、活かされるようになってきました。
また、子どもはお金を使わなくても楽しむことができ、その笑顔を見ることでこちらも幸せな気持ちになることがわかりました。
生活をよりよくするための知識や季節を感じるイベントは、人生の豊かさや幸せに繋がるのだと、保育士の仕事を通して学びました。
そして、それも人との繋がりがあってこそです。
大人同士のやり取り
また、保育士は会議や話し合いが多く、保育士同士の協力が不可欠です。
年齢も雇用形態も家庭事情も違う大人が一緒に子ども達と一緒に過ごす場は保育現場以外なかなかありません。
その中で、それぞれに考え方や感情の伝え方も工夫しながら、保育を進めていくのは実生活でも役に立ちました。
感情に任せて伝えても上手く伝わらないし、感情が全くなくても伝わらない。
自分のやりたい保育を理由や根拠とともに伝えたり、相手の意見を受け止めたり…。
どう頑張っても苦手なタイプの人もいたりしますし、時間をかけたことで分かり合える人もいたり…。
何より、人間関係に苦労しているのは自分だけではないということを知れたのも私には大きかったです。
実践しながら覚えていくので、苦労はしますが、人との関わりが少ない単純作業のお仕事より、人との関わり方の経験になることは間違いありません。
多分、保育士の経験がなかったら、夫が思い通りに動いてくれなかったときに、怒るとか泣くことでしか自分の気持ちを表現していなかったと思いますし、今でも母との距離の取り方はわかっていなかったと思います。
まとめ
毒親育ちの人に保育士をお勧めする理由を解説しました。
毒親育ちに欠如しがちな知識が保育現場に出てからも実体験として学びながらレベルアップしていけます。
そして、そこから得られる成功体験は、自信や達成感、やりがいを生み出し、子どもから向けられる笑顔や愛情表現は心を癒してくれます。
子どもの成長を促しながら、自分も成長していけるのが、保育士の一番のメリットです。
保育士に興味を持つきっかけになれば嬉しいです。
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