「毒親に育てられたから、子どもには同じ思いをさせたくない。でも、どうすればいいの?」
そんな悩みを抱える女性は多いでしょう。
育児において自分の経験が影響を与えることは避けられませんが、どうやってその呪縛から解放されることができるのでしょうか?
今回は、毒親育ちが抱える子育ての迷いについて考え、実践可能な5つの選択肢を提案します。
1. 自分の感情を大切にする
毒親育ちだと、感情を抑え込むことが多かったかもしれません。
しかし、子育てにおいては、自分の感情を無視することはできません。
子どもにとって、親の感情は大きな影響を与える要素です。
まっすぐ生きている子どもは価値観や時間軸、表現方法が大人と全く違うので、関わる中で、腹が立つことや悲しくなることも多いと思います。
そのときに、どう感情を子どもに伝えるか、どう自分の感情を整理するかが、自分が毒親になってしまうかどうかの分かれ道だと思います。
まずは、自分の感情を書き留めたり、友人に話したりして、感情をコントロールしようとすることから始めましょう。
感情を出すのを我慢するのとは違います。そして、それを子どもに隠してしまうと子どもは相手の気持ちが見えてこないので、顔色を伺うようになります。
子どもの前でも「その言葉は悲しい」「あなたがそれをするのは嫌だ」「今の行動は腹が立った」と伝えることで、「これはしてはいけないんだ」と社会のルールを学んでいくことにも繋がります。
自分の感情を理解し、受け入れることで、子どもに対する接し方も変わってくるでしょう。
2.叱り方を工夫する
毒親はしばしば愛情表現が乏しい一方で、厳しすぎる叱り方を行うことがあります。
また、自分の求める子ども像が押し付けになっていることもあります。
その結果、自分がどのように家庭教育をするべきか迷ってしまうことも多いですよね。
大切なのは、考え方と伝え方を工夫をすることです。
考え方
まずは、子どもがしてはいけないことをした時に、それをやめさせたい!と叱ろうとしたとする。でも、その前に、現状子どもに可能なことであるかどうかを判断します。
例えば、机に乗ってしまう子どもがいたとして・・・
その子は言葉が理解できるか
机に乗る行為は何回目か(今までどれくらいダメだと伝えてきたか)
机に乗ることはダメな理由を理解できるのか
言われたことを実行するだけの心の余裕や我慢するメリットがその子にあるか
など。
これは年齢ではありません。「3歳だから分かるはず」「10歳なのにできないのは恥ずかしい」などの考え方は毒親まっしぐらです。
その普通が、自分と合っていなければ子どもは期待に応えられず自己嫌悪になったり、感情を出せなくなってきます。
私も「普通は〜すべき」を小さい頃から母親に多用されました。でも、その中には自分の気持ちと合っていないものや時代錯誤なもの、世間の常識とは若干ずれているものもありました。
机の話に戻りますが、理解できなさそうだ我慢できなさそうだと思ったら、それは毎回「乗っちゃダメ」と言うより乗れないように部屋の環境を工夫した方が、教育にも気持ちの上でも絶対いいです。
それを叱りたくなる全ての場面で判断してください。
コップの水をこぼした時、洋服が着れないと泣いた時、おもちゃを投げた時・・・
その場で判断するのは難しいと思いますが、時間や気持ちの余裕があるときに、考える習慣をつけると叱らないといけない場面というのがとても少ないことに気がつくと思います。ぐっと子育ての質が上がりますし、子どもとの関係も良くなるのでお互いの自己肯定感も上がるのが実感できると思います。
伝え方
では、先ほどの考え方で判断した結果「叱るべきだ」と判断したとします。
怒鳴りますか?叩きますか?
多分、それはしてはいけないと分かっていると思います。でも、理由までわからないと気持ちを抑えられないと思います。感情より理性を優先させないといけないからです。
怒鳴る、叩くという行為は、相手を脅迫しているのと同じです。
ナイフを突きつけられて「机に上ったらお前の命はない」と言われたら誰でも机から降りますけど、それってナイフを持った人がいなければ机に上るし、どうして机に上ってはいけないのかわからないと思いませんか?
そして、子どもが指示待ちになります。怒られるまでやらない、軽く言うだけでは動かない、自分で考えない、決められない。百害あって一理なしです。
なので、叱るという行為の理想系は交渉に近いものだと思ってください。
保育の世界では、共感を重要視されます。
子育ての世界でも同じく、まずは共感と言われます。
脅迫ではなく交渉なのですから、相手の信頼を勝ち得ないといけませんもんね。
その上で、どうしてしてはいけないのか、それをするとママやパパはどんな気持ちになるかを伝えます。
・・・というのが教科書通りの方法です。
こんなもんで子どもが子どもが言うこと聞いたら苦労しないし、もっと子育て楽できてると思う。
でも、教科書通りというくらいなので、勉強と同じで、まずは裏技とか強硬手段とかやる前に、必ず教科書に載っていることからやるのは基本です。
その上で、楽しいことに誘導するとか、スキンシップという名の強硬手段に出る(抱きしめたりくすぐったり)とか、子育てライフハックに頼るとかしてください(笑)
3. ワンオペ育児のストレスを軽減する
育児がワンオペとなると、ストレスが溜まりますよね。
毒親育ちのあなたは、孤独を感じやすいかもしれません。
そこで、周囲に助けを求めることが大切です。
子どもを産む前は、保育士だし、産休育休あるから、一日家にいて、家事しながら1人で数人の子どもを育てるぐらい簡単にできると思ってました。
子育てってやってる本人も「あれ?なんか辛い。でもみんなやってるしな」って気づかないくらい地味にしんどいです。それが形を変えながら365日20年近く続きます。
やっと慣れてきた頃に次の悩みがやってきます。子どもの価値観や表現方法、生活リズムや周囲の環境が変わってくるためです。
そして、掃除や洗濯の頻度、毎食のクオリティ、部屋の広さや夫の協力具合、子どもの個性や人数に至るまで同じ家庭は一つもないので、正解がなく「自分の頑張りが足りないのではないか」と思ってしまいがちです。
だから、自分の生活が大丈夫だと安心するためにも人と直接話し合うのが大切です。
案外、周りもこだわりたいところと手を抜くところをバランスとってやっているし、そのポイントも人それぞれなことに気が付きます。
みんな辛いんだなと思うことで、孤独感も和らぎます。
友人や家族と育児について話し合ったり、保育園や地域の育児サポートを利用したりして、自分一人で抱え込まず、サポートを受け入れましょう。
4. 健全な人間関係を築く
毒親育ちのあなたにとって、健全な人間関係を築くことは簡単ではないかもしれません。
私も人と会った時は、いつも1人反省会。失言も失敗もたくさんしてきましたし、今も時々やらかします。
しかし、子育ての最終目標は子どもの自立ですよね。
自立というのは、1人で全てのことができるようになることではありません。
ここを誤解している人が多いです。子育てのゴールが違っているのです。
私の思う自立とは、自己理解ができ、必要に応じて周囲を頼りながら生きること
だと思っています。子どもにはできることより、生きることに重きを置いて欲しいと思いませんか?
子どもにも癇癪を起こされるより、「手伝って」とお願いされた方が、
突然引きこもりになるより、「こんなに辛いことがあったんだ」と相談された方が
突然家出されるより、「お母さんのこう言うところ直してほしい」と言われた方が
いいと思いませんか?
日頃から親子のコミュニケーションやスキンシップを大切にし、オープンな対話を心掛けましょう。
子どもが話せるようになってくると、聞けば聞くほど子どもの考えって面白いなと感じることが増えると思います。
そして、子どもの観察力はすごいので、近所の方や友人と良好な人間関係を築けるとその様子もじっと見ています。
それが、子どもの友達の作り方や大人への頼り方、人格形成に繋がっていきます。
また、子どもにとっては一番近い存在であるパートナーとの関係も大切にし、共に育児に取り組むことが重要です。
5. 自分を責めない
毒親育ちは、自己評価が低くなりがちです。
子どもができると思うようにいかないことが多くなるため、自己嫌悪になりがちです。
そして、その気持ちが自分で抱えきれなくなると、子どもを育てられなくなるまで気持ちが疲弊したり、子どものせいにするなど、家庭が崩壊していきます。
しかし、育児は完璧にこなすことが求められるものではありません。
失敗を恐れず、試行錯誤しながら家族がより幸せになっていくものだと思います。。
それは、子どもが小さければ小さいほどやりやすいですが、大きくなっても一緒で、自分と子どもと家庭に会ったそれぞれのやり方を模索していく姿勢が大切です。
エジソンは「失敗ではない。うまくいかない一万通りの方法を発見しただけだ」と言っています。
これは子育ての言葉ではありませんが、子育てにも当てはまると思います。
自分を責めることなく、少しずつ自分を許していくことが、良い親になるための第一歩です。
自分を責めたくなった時は、心が疲れている時だと割り切り、リフレッシュをしたり、人に会ったり、自分時間を作ったりと、何か策を講じてくださいね。
まとめ
毒親育ちの子育ての悩みは多岐にわたりますが、感情が先行しがちです。
しかし、子育ては、子どもの脳や身体の成長を促す学問です。
科学的に証明されていることもたくさんあり、子育ての正解が少しずつ見えてきている部分もあります。
ただ、子どもも親もロボットではありません。受け入れられないことや気持ちがついていかないこと、冷静になれないことも多々あるでしょう。
その時に、自分や子どもを責めずに「じゃあ次からはこうしてみようかな」と試行錯誤することが大切だと思います。
決して、怒鳴ったり、叩いたり、嫌味を言って、子どもを従わせたことを「こうすればいいんだ!」と勘違いしないことが、重要です。
それは、気付け薬と同じなので、即効性はありますが、多用することで効きが悪くなり、お互いにその方法に依存することになり、家庭やお互いの精神が崩壊します。(子どもの頃の体験談です笑)
でも、子育てについて調べながらここに辿り着いた時点で、きっと素晴らしい母親だと思います。
お互いに悩みながらも、少しずつ自分らしい子育てを見つけていきましょう。
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