・毒親育ちだけど、子どもをちゃんと保育できるのか知りたい方
・昨今の不適切保育や虐待のニュースを見て、保育士になりたいけど不安になっている方
に向けて、参考になればと思います。
結論。なれます。
その理由をお伝えしていきたいと思います。
後半に注意点もあるので、最後までお読みください。
毒親育ちの特徴から考える、保育士になれる理由
1.人間関係を良くしたいと常に思っているから
2.真面目で、与えられた仕事は真っ直ぐにやり切ろうとするから
3.辛い経験をしたからこそ、優しくなれるから
詳しく見ていきましょう。
1.人間関係を良くしたいと常に思っているから
顔色を伺いながら生活してきた毒親育ちにとって、親に嫌われることで自分への被害が拡大するため、敏感に機嫌や様子を感じ取り、立ち回ってきたのではないでしょうか。
保育士の世界はまだまだ女社会です。
吐き出さないとやっていけない人が多い上に、データや数値化できない内容の会議や日々の話し合いがとても重要な上に頻繁に行われます。なので、保育の意見が合わなかったり、相手の気持ちを考えられない人がいると人間関係までこじらせてしまい仕事が気持ちよくできず、それが離職に繋がったりもしています。
何より保育士同士のいざこざで一番迷惑するのは園児たちなので、その立ち回ってきた機転の良さや人の顔色を読み取る力、譲り合える優しさなど毒親育ちだからこそ活かせる人間関係で、保育業界の荒波を渡っていけるのではないでしょうか。
2.真面目で、与えられた仕事は真っ直ぐにやり切ろうとするから
私の家庭は、宿題やピアノの練習などやるべきことをやっていないと手が飛んでくる家庭でしたので、っ宿題を忘れたことはありませんでしたし、学力もそこそこの進学校へ行き、ピアノもコンクールに出たりしていました。
まぁ、結局、思春期に入り、親への恐怖が少なくなっていく過程で自分から辞めてしまいましたが。
真面目に愚直にやり込む経験はきっと仕事にも活かされると思います。
私が就職した時は、まだまだ現場がパワハラ、マタハラなどのハラスメントが横行していた時でした。
出勤初日に園長先生から「有給はどうしても取らないといけない人が取るものだから、遊びに行くから休むとかそんな使い方はしないでね」と言われました。
異動などで園長先生が変わっても仕事量が変わるわけではないので、だんだん取らないことが普通になっていきました。
そこから16年間通して、有給は多分60日も使っていないのではないかと思います。
もちろん退職の最終日まで有給消化などできるわけもなく、最終日も残業をして帰りました。
…話は逸れましたが、時代は変わったとはいえ、保育士が激務なことには変わりありません。
数々の書類や保護者とのアプリ(帳面)でのやり取り、お便り制作、おもちゃや壁面装飾の作成、保育の準備など思いの他、期限の決まったタスクや事務が多く、それができないと園運営全体に迷惑をかけたりします。
なんの仕事でもそうですが、ゆとりだなんだと与えられた仕事ややるべきこともできずに「怒られた」「パワハラだ」と騒ぐのを年上の上司はとても嫌います。女社会はそれがとても顕著です。
なので、先ほどの人間関係にもつながりますが、仕事を真面目にこなしていくことができるのは、いろんな面でメリットがあると考えられます。
3.辛い経験をしたからこそ、優しくなれるから
理不尽な思いをして育ってきた方は、虐待のニュースに敏感なのではないでしょうか?
保育士の不適切保育や保護者からの虐待のニュースはなかなか0になりません。
それは、
①子育てのタブーが分かっていない
②自分の気持ちを抑えられない
③子どもへの理解が足りない
のどれかに当てはまると思います。
①子育てのタブーが分かっていない
よく「俺は叩かれて育ったから今があるんだ!」「体罰を制限するから子どもがつけあがるんだ!」
という人がいますが、毒親育ちでそんなこと思っている人は多分いないと思います。
愛されて育つから自信を持って挑戦でき、1人の人として接してもらい納得できるから人として成長していきます。体罰ありきでしか行動できない人が増えたら、この世界は崩壊すると思います。
子育てに正解はないとよく言われますが、絶対に良くないことは確実に存在しています。
それが身をもって分かっているのは、タブーを経験してきた本人だからこそです。
私は1人目の産後、誰にも頼れない状態で、母親から頻繁に電話で罵声を浴びせられ、毎日の連投長文LINEに辟易していたときに、助産師訪問活動で市から来てくれた助産師さんに、つい悩んでいた母親との関係を話したことがあります。
そのときに
「kinoさんが保育士になったのは、きっと意味があることだと思います。運命かもしれませんね」
と言われました。そのときに今までの自分が報われたような気がしました。
②自分の気持ちを抑えられない
これは、毒親育ちにはとても突き刺さる言葉だと思います。
親に上手に愛されて育ってきた人はしっかりした土台があるため、精神的に安定しやすいですが、毒親育ちには不利な部分があります。
毒親育ちが虐待をしてしまう理由の一つになるのではないかと思います。
しかし、それが理解できているから不安になるのだから、対策はあります。
専門機関に通ったり、友人や仲間、知人や親族、誰かしらどこかしらに救いがあれば、徐々に安定し、自分と向き合う余裕ができてきます。
そうすることで、自己理解が深まり、自分の気持ちの変化に対応していけるようになります。
私もまだまだ自己研鑽の途中ですが、今を家族仲良く幸せに生きていけているのは成長の賜物だと思っています。
③子どもへの理解が足りない
私は、毒親育ちが保育士になる1番のメリットだと思っています。
メリットに気付いたのはつい数年前ですが。
子どもがどうして怒るのか、どう対応したらいいのか、どう遊んであげたら喜ぶのか、どう伝えたらいいのか・・・子どもにまつわることが、学べるし、実際に見ることができるし、対応もできます。
昔とは違い、新人教育もしっかりしている園が増えているので、先輩保育士の対応を見ることができます。技を盗めます(笑)
以前、ママ友と遊んだ際、子どもがこぼしやすそうなコップに入ったジュースを飲もうとしていました。
ママ友は「絶対こぼさないでよ!」と言い
案の定こぼした子どもに怒っていました。
多分、保育士なら・手を添える・飲みやすいコップに入れる・声かけの仕方を工夫する
などできることはたくさんあります。そもそも、こぼすことはあらかた予想できるので、こぼしても腹が立ちません。腹が立ちそうな時は、あらかじめ失敗しない方法を用意できるし、うまくいかなかったときは「自分も悪かったな」と反省できます。
毒親育ちだったことで、子どもに優しくありたいという気持ちは、知識をつけることで実際に体現することができます。
注意点
この考え方は、ある程度自分の気持ちが安定していないと受け入れ難いと思います。
共感できないということは、まだ多くの人と密接に関わりながら働くフェーズではないとも考えられます。
まずは、ご自身の状態に合わせて専門機関を頼ったり、安心してなんでも話せる関係性の人を数人作っておくことをお勧めします。
保育士はそれほど、いろんな人と関わることで人間関係のストレスも多くなりやすい職場だからです。
そして毒親育ちにあるあるなのが、「人に上手く頼れない」という点です。
どんな仕事でもそうだと思いますが、保育士は子ども相手の仕事なので、どうしても仕事の配分がマニュアル化しにくい部分が多いです。
一生懸命真面目に仕事に取り組む姿勢は大切ですが、自分には難しい、できない、わからないなどは周囲を頼ることも同じくらい大切です。
自分さえ頑張れば!の精神で続けられる職場ではないと思うし、年齢を重ねれば重ねるほど体力的にも難しくなっていきます。
日頃からの努力が認められていれば、力になってくれる人が現れると思うので、私生活でも仕事でも頼る練習をしていきたいものですね。(私も)
まとめ
保育士特有の話を書こうと思っていましたが、きっとどの職場にも当てはまるのだろうなと思えることがたくさんありました。
まずは精神的な土台を作り、学習意欲を高める
真面目に仕事をしながら、周囲にも頼る
学びながら実践していくことで脳と体に子どもへの接し方を定着させる
ことで、保育士として活躍していけるのではないでしょうか。
毒親育ちが保育士になるメリットはたくさんあるので、次回以降、お伝えできればなと思います。
前提として、不適切保育をしていない職場を選んでくださいね♡笑
コメント